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zoom RSS 江戸川乱歩の美女シリーズ・2

<<   作成日時 : 2009/12/26 15:05   >>

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前回に続いて、天知茂主演
「江戸川乱歩の美女シリーズ」の感想…という程でもない文です。

今回は第7作から第12作までなんですが
コレ残り、まだあと13作ありまして
果たしてどうしたもんか、とも思ってしまいます。


☆第7作 宝石の美女(原作「白髪鬼」)

原作は元々海外作品だったものが明治時代に黒岩涙香が翻訳
そして、それをさらに乱歩がリメイクしたというもの。

妻とその愛人の策略によって殺され土葬された男が
棺の中で蘇生、恐怖で髪の毛が白髪になりながらも復活
復讐の鬼となり、2人を追い詰めていく…といった話で
原作では明智小五郎は出てこないんだが
今作で明智は、偶然にも白髪のヅラを片手に脱獄した男を
追いかけていた最中だったもんで
ついつい、この白髪男の復讐譚に首をつっこんでくるのであった。
正直、犯人にとっては本と迷惑極まりない理由です。

まぁ、そんな感じなもので
やはり今作、注目してしまうのは明智よりも白髪鬼になるんだが
演ずるは、男前・田村高廣!
個人的には日本で色気のある男優ベスト5に入ると思ってるだけに
「何でこんな作品に出てるんだ?」と思わないでもないんだけど
田村高廣の場合、似たことを思う時は他にも結構あるから仕方がない。

それよりも今作は、逆立った白髪のヅラを被り死人のようなメイクで
嬉々として演じてる姿が堪能できるんで、なかなか嬉しい一作ではあります。
しかし、だからといって殺した娘さん2人を
片や海岸の一本松にパン一で逆さ吊り
片や岩陰から足が突き出るようにして放置、という
何となく両者とも横溝正史で見たことあるような…という感じでの殺害というのは
ちょっとやりすぎだよ田村さん!という感じです。

あと、その田村さんを遺産目的で殺害した妻と愛人役は
金沢碧と小坂一也がやってるんですが
何というか、こんな協調性も覇気もないのも珍しいなぁ
と思うくらいのポンコツコンビで
まぁそれが故に、両者とも凄惨な末路を迎えてしまうわけなんだけど、
多分、視聴者全員が「そりゃ仕方ないよな…」と思ってしまう2人でした。


☆第8作 悪魔のような美女(原作「黒蜥蜴」)

自分が今まで見た黒蜥蜴女優は
京マチ子、丸山明宏、岩下志麻なんですが
マチ子蜥蜴は、何となく可愛らしかったイメージがあり
丸山蜥蜴は、まぁ男か、と。
志麻蜥蜴に至ってはとにかく話自体が面白くなく
何かプールに志麻ちゃんが浮かんでたような記憶があるんですが
それ以外全く記憶に残っていません。
そして今回この天知茂版の黒蜥蜴なんですが女優は小川眞由美!
ザ・肉食という感じで、一番生々しい蜥蜴だと思います。

映像版の黒蜥蜴は、全て三島由紀夫が脚色したモノが元になってて
乱歩の原作よりも、追う明智と追われる黒蜥蜴の恋(?)
みたいなものが重きに置かれて描かれていくわけなんですが、
今作は何せ配役が天知茂&小川眞由美なもんで
冒頭から終止、アダルト極まりなく
普通の会話からして、何かもうベットの上での睦言にしか聞こえないです。

監督の井上梅次は京マチ子版の映画「黒蜥蜴」を撮っている監督で
今作はセルフリメイクという事なんだが
何というか、やはりTVということでのチープさは否めないもの
テンポとかは、もしかするとこっちに軍配が上がるんではないかとも
思ってしまいます。あと、明智のアクの強さとかも。
どっちを選ぶかと聞かれたら
まぁ、迷いなくマチ子ちゃんの方を選びますが…。


☆第9作 赤いさそりの美女(原作「妖虫」)

赤いさそりをマークとする黒眼鏡の怪人が
この夏の大作映画「燃える女」オーディションに参加した娘さんたちを
次々と毒牙にかけていく…という展開なのだが
冒頭、見事主演女優の栄冠をゲットするのは
現在「燃える女」主演俳優と同棲中で話題沸騰だった娘さんだそうで
かなり仕組まれたオーディションだったようです。

しかし、この呪われた大作映画「燃える女」。
主人公・ゆかりが「ピアニスト」で
「燃える想いをピアノに込めて鍵盤をたたく」という情報以外
まったく内容が判らないんだが
主演女優が次々とんでもない奇禍に遭い
この次選ばれても、もれなくさそりマークの怪人が!みたいな
嫌な特典が付いてくるのだが、繰り上げ当選になった娘さんが軒並み
「わたし演るわ!」と前のめりになってしまうという
かなり魅力的な映画みたいです。
…正直、全く面白くなさそうな映画なんですが。

ちなみに、それぞれ毒牙にかかった娘さんは
一人目は殺された上、マネキンとして洋品店に陳列
二人目は身体を上下真っ二つにされ、下半身を煙突に入れられる
という、本人や身内にとっては
耐え難い状態で発見されてしまいます…。
本と、それでも主演女優をやりきろうとする娘さん達には感服です。

あと、この犯人は赤いさそりマークを現場に残していくため
明智や浪越警部たちはさそりに関したものを探し始めるんだが
オーディションに参加した娘さんの元恋人が
最近「妖虫」と題した気持ち悪いイラスト創作にハマりだし
喫茶店で嬉々として開陳していた、とか(原作タイトルが「妖虫」)
近くに、さそりや蜘蛛などの毒虫を無数に飼い
一昔前の所さんみたいに常にイグアナを携帯している
世間では「妖虫博士」と云われる博士が住んでいた、など
確かに人間、新しいモノに興味を持つと
普段の町並みも違って見える、とか云いますが
途中、明智がケガのため入院してしまう中
続々と街のさそり情報みたいなモノが
明智の元に届けられる様を眺めていると
「あぁ、皆が考えてるよりも世の中にはさそりが溢れてるんだなぁ…」
などと考えてしまいます。
全然、知りませんでした。


☆第10作 大時計の美女(原作「幽霊塔」)

100年以上前に作られた時計館に、夜ごと現れる老婆の幽霊。
幽霊の調査を依頼され、館に訪れた明智だったが
やがて謎は館に眠る財宝にまつわる連続殺人へと繋がっていく…。

冒頭、館の主である横内正(またも黄門ファミリー!)が
老婆の幽霊に悩まされるシーンから始まるんだが
何というかこの幽霊、はしゃぎすぎにも程がある!という感じで
まるで修学旅行の夜の学生みたいだ。
そして後半、幽霊の秘密が明かされるんだけど
だからと云って、何であんなにはしゃいでたんだ?
という疑問は最後まで残ってしまいました。

あと、最終的に犯人は事故によって死んでしまうんですが
…正直な話コレ、明智の助手・文代による
「過失致死」なんではないかと思われます。
まぁ、浪越警部も笑ってたし
他の登場人物全員が「そんなことより財宝財宝♪」というノリだったため
完全にスルーされてしまいましたが、大丈夫なんでしょうか?

原作が20年ぐらい前に読んだきりで、全く内容を忘れていたため
結構、楽しく見ることが出来ました。
他の作品は大体憶えてるもんで、ストーリーを追うと云うよりも
あの場面はどうなってんだろうみたいな興味目線になり
何となく、健全ではないなぁとも思ってしまいます。

そういえばこの作品、いきなり現れた時計館が
第2作「浴室の美女」に出てきた屋敷と同じで
ちょっとズッこけてしまった。
まぁ、続けて見てると定期的にこんなコトが起きます。


☆第11作 桜の国の美女(原作「黄金仮面」)

前回、由美かおるとヘリコプターで華麗に去っていった伊吹吾郎が
あっさり由美かおるを交通事故で亡くし
新たなジャパニーズビューティーを求めて、再び日本にやって来た!

前回、冒頭5分のみカタコトな日本語という
些細な役作りがあった伊吹吾郎でしたが
今回は一切ありません。いつもの彼で全編登場。
にもかかわらず、オープニングのテロップは「ロベール・伊吹吾郎」。
全く持って、格好いいぜ!という感じだ。
あと劇中、趣味であるフラメンコギターを奏でるといったサービスもあって
僕は違いますが、伊吹ファンにはたまらない映像だと思います。

前回に続き、今回のラストでは
古手川祐子を誘拐しボートで逃走していきます。
そして明智たちに再び追い詰められてしまうのだが
またまた上空からヘリコプターがやってきて、縄ばしごを!
次々と巻き起こるデジャヴのような展開につられるように
伊吹の縄ばしご捌きも前回と変わらぬ結構なまごつきっぷり。
そしてまたまた定位置まで登り、カメラ目線でポーズを決め
伊吹は再び大空の彼方へ去っていってしまう…わけなんですが
そんなシーンに被さるように入るテロップ
「提供 日本農林ヘリコプター(株)」が何かちょっと哀しいです。

最後に、伊吹を眺めながら明智は呟く。
「黄金仮面、彼は再びやってくるだろう…」
その後、ルパンも伊吹吾郎も登場することはありませんでした。

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☆第12作 エマニエルの美女(原作「化人幻戯」)

原作では明智小五郎晩年の事件で、髪もロマンスグレーになってるんだが
もちろん天知はいつもの黒髪を載せエネルギッシュに活躍しています。
今回、何故タイトルが「エマニエル」になったのか?というのが
最初に感じた疑問だったわけですが
やはりというか、まぁ単に籐椅子に座ってるからだけでした。

一応云っておくと、以下の文章
完全にネタを割ってしまっています。申し訳ないです。

実はこの作品の犯人、いわゆるカマキリ婦人といいますか
性の快楽とともに犯す殺人に無常の悦びを感じるというキャラで
最近では、この手の犯人像
ミステリーの世界なんかで結構出てくるのかも知れないけど
自分はこの作品で初めて出会い
そしてなかなか印象深いラストシーンが素晴らしく
個人的には乱歩作品ベスト5に入っています。
数年前、この作品の犯人の動機が動機なもんで
児童向きに書き改められたポプラ社版「白い羽根の謎」はどうなってたかな、と
読み直してみたんですが、単なる普通のあばずれ悪女になっていて
残念に思った思い出があります。
まぁ仕方ないんですが。

それで本作はというと
この辺になると段々配役もおなじみの方というのが増えていき
都合3回、毎回重要人物で出てくる
岡田英次は今回長髪のヅラを被り頑張ってます。
しかしヅラを被った岡田英次って何となく喜多郎に似ていますねぇ。
全く持って、どうでもいいんですが。

中盤、カマキリ婦人の情事日記というのが登場し
明智小五郎は、夜な夜な事務所で煙草をくゆらしながら読みふけるという
なかなかいい趣味してる行動に走るのだが
その間、映像はカマキリ婦人自らのナレーションによる
「昼下がりのカマキリ」といった桃色映像のオンパレード。
まぁ原作もそんな感じの展開なんですが
そういえば、この天知茂版のシナリオライターは誰かなと思ったら
これまた以前、情事日記で一世を風靡したジェームス三木!
おそらくシナリオはスラスラ書けたんだろうなぁ、と想像できます。

今回の明智は、カマキリ婦人の妖香に迷いながらも
胸元にAのイニシャルを刺繍したジャケットを華麗に着こなし
そして恒例の変装シーンでは、犯人を驚かす、ただそれだけのために
風呂場でずっと目を開いたまま沈んで待っている、という
かなりガッツのいる行動を見せてくれるんですが
残念ながら犯人に捕縛、中世の拷問台の上へ。
しかしそんな大ピンチを救ったのは
(本当に)どっからやってきたのか
さっぱり判らない大量のカマキリ軍団!
犯人は、そのカマキリたちに囲まれながら
交尾中オスを食い殺すカマキリに自らの性と重ね、恐怖し
やがて発狂してしまうというラストを迎えてしまいます。

なかなかの迫真な演技で、思わず見入っていたのですが
そんなカマキリ婦人の熱演の上に
最後の最後、偶然にも被さってしまった「荒井注」のテロップに
吹き出してしまいました。
まさに不意を突かれたという感じだったんだけど
考えてみるに実はコレ、偶然じゃあなく
先程までの凄惨なドラマから日常に引き戻してくれる
スタッフの暖かい配慮だったんじゃあないでしょうか。

確実に違う、と思いますが
そうであって欲しいと思いたいです。

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最後に感想とは違うんですが

最近、こんな感じで近所のレンタル屋に
このシリーズを借りに通ってんですが
これらがずらりと並んでる近くに乱歩関連みたく
他の乱歩映画やアブノーマル系の作品が置いてあり
その中にあったロシア映画の「フリークスも人間も」という作品の
裏表紙には某作家による推薦文として
「この映画を乱歩が観たら興奮のあまり絶叫するでしょう」
とか書いてました。

えらい勝手に云われてるなぁ…と
少々、乱歩が気の毒になりました。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その前とその後に書いたヤツです。

江戸川乱歩の美女シリーズ・1(第1作〜第6作)
http://gakuboukun.at.webry.info/200912/article_2.html
江戸川乱歩の美女シリーズ・3(第13作〜第15作)
http://gakuboukun.at.webry.info/201108/article_1.html
江戸川乱歩の美女シリーズ・4(第16作〜第19作)
http://gakuboukun.at.webry.info/201209/article_1.html



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